富山鹿島町教会
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テレホンメッセージ

「救いの歴史」(42)

 創世記第37章以下の、ヨセフの物語についてお話ししています。

 エジプトの王ファラオの夢を解いたために、奴隷から大臣になったヨセフは、それから七年の豊作の間、エジプトの町々に穀物を蓄えさせました。その七年の大豊作が終わると、ヨセフが予告した通り、大飢饉が始まりました。飢饉は全ての国々を襲いましたが、エジプトにだけは、ヨセフのおかげで豊富に穀物が備蓄されていました。各地の人々が、エジプトのヨセフのもとに、穀物を買いにやってくるようになりました。

 さて、ヨセフの父ヤコブと、ヨセフを奴隷に売った兄たちのいるカナンの地方も飢饉に襲われていました。ヤコブは十人の兄たちを、穀物を買ってくるためにエジプトに遣わしました。兄たちはエジプトに着き、穀物を販売する監督をしているヨセフの前にひれ伏して、穀物を売ってくれるように願いました。ヨセフは勿論それが兄たちであることがすぐにわかりましたが、兄たちは目の前のエジプトの大臣が弟ヨセフであることに気づきません。ヨセフは彼らにわざと言いがかりをつけ、「お前たちはこの国をさぐりに来たスパイだろう」と言います。兄たちは必死に弁明し、自分たちが十二人兄弟で、カナン地方に住んでおり、下から二番目の弟は行方不明になり、一番末の弟は故郷で父のもとにいますと身の上話をします。ヨセフは、その言葉が本当であることを確かめるために、一人を人質としてここに残し、他の者は穀物を持って帰り、今度は末の弟を連れて来いと命じました。兄たちは、こんな目にあうのは、自分たちが弟ヨセフに対してしたことの報いだ、彼の苦しみを見ながら見捨てたためにこのような苦しみがふりかかったのだ、と語り合いました。ヨセフはそれを聞いて密かに涙を流しましたが、彼らの前ではあくまでも厳しくふるまい、シメオンを人質として残させ、他の者は穀物を買って帰ることを許しました。そして僕たちに命じて、彼らの穀物の袋に、彼らが支払った銀を一緒に入れさせました。兄たちは途中で袋を開けてみると、そこに支払ったはずの銀も入っているので不思議に思いつつ帰り、全てを父ヤコブに報告しました。ヤコブは、自分は先にヨセフを失った、シメオンも失った、この上、末の子ベニヤミンまでも失うことはできない、あの子をエジプトに連れていってはならない、あの子までも失ったら、もう生きてはいけない、と嘆くのでした。

牧師 藤 掛 順 一
[2000年11月27日〜12月10日]

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